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自閉症で絵本をめくるだけ?1歳・2歳の行動とサインを解説

赤ちゃんが絵本をめくるようになるのはいつからだろうと成長を心待ちにする中で、1歳で絵本をめくるのが好きなのは普通のことなのかと感じる親御さんもいるかもしれません。

特に、2歳になっても絵本をめくるだけの心理が気になったり、自閉症で本をパラパラ、めくるだけで読ないといった様子が見られたりすると、赤ちゃんの自閉症と絵本をめくる行動について不安がよぎるものです。

この記事では、そうした気になる行動と1歳自閉症チェックリストに触れつつ、絵本をめくる以外の自閉症のサインとは何か、例えば階段の上り下りは自閉症のサインなのかといった疑問や、自閉症傾向の子供のその他の特徴は何かについても解説します。

また、自閉症でもママ大好きという気持ちは本当なのかといった親子の関わりや、自閉症の子が好む遊びには何があるかという疑問にも触れながら、最終的に自閉症と絵本をめくる行動の正しい理解を深めていきます。

赤ちゃんの自閉症と絵本をめくる行動について

赤ちゃんが絵本をめくるようになるのはいつから?

赤ちゃんが自分で絵本のページをめくりたがるようになる時期は、一般的に生後6ヶ月から1歳頃にかけてと言われています。もちろん、これはあくまで目安であり、発達には大きな個人差があります。

生後6ヶ月頃は、まだ指先の細かな動き(巧緻性)が発達途中であるため、ページを掴むことはできても、一枚ずつめくるのは難しいでしょう。最初は紙をくしゃくしゃにしたり、口に入れて感触を確かめたりすることから始まります。

次第に指先が器用になってくると、ページを「めくる」という動作そのものに興味を示し始めます。生後9ヶ月や10ヶ月頃になると、厚紙でできたボードブックなど、丈夫な絵本であれば、上手につまんでめくれる子も増えてくるでしょう。

大切なのは、SNSなどで見かける他の子と比べて早いか遅いかではありません。赤ちゃん自身が絵本に興味を持ち、手を伸ばそうとしているかどうかが重要です。発達のスピードは一人ひとり異なるため、焦らずにその子のペースを見守る姿勢が求められます。

1歳で絵本をめくるのが好きなのは普通?

1歳の子どもが絵本のストーリーを熱心に聞くよりも、ページをめくる動作そのものを楽しむのは、ごく自然で一般的な発達の姿です。この時期の子どもの行動を心配する必要はありません。

この時期の子どもにとって、絵本はまだ「読んで物語を理解するもの」というより「触って遊ぶおもちゃ」の一つに近い存在です。ページをめくる時の「パラパラ」という音、自分の指先の動きで絵柄が次々に変わる視覚的な変化、紙のツルツル・ザラザラとした感触などが、子どもにとって大きな魅力となります。

そのため、1歳の子が絵本の内容に関係なく、ただひたすら高速でページをめくったり、お気に入りのページを何度も行ったり来たりして遊んでいたとしても、それは「絵本をめくるのが好き」な証拠であり、指先の運動能力や好奇心が育っている証拠とも言えます。

無理に大人が読み聞かせようとページを押さえたりせず、まずは子どもが満足するまでめくる動作そのものを楽しませてあげることも、絵本を好きになるための大切なステップです。

2歳になっても絵本をめくるだけの心理

2歳頃になると、言葉の理解が急速に進み、簡単なストーリーであれば「ワンワンいたね」「リンゴおいしそうだね」といったやり取りをしながら楽しめる子も増えてきます。

しかし、2歳になっても絵本の内容より「めくるだけ」の行動が中心であっても、それだけで一概に「おかしい」と心配する必要はありません。1歳の頃と同様に、ページをめくる動作そのものが楽しいという場合や、乗り物や特定の動物など、お気に入りのページだけを繰り返し見たいというこだわりがある場合などが考えられます。

ただし、言葉の発達がゆっくりである(意味のある単語が数個程度など)、他の子への関心が薄い、目が合いにくい、集団での行動が極端に難しいなど、他の側面でも気になる様子が重なって見られる場合は、少し注意深く見守る必要が出てくるかもしれません。

絵本との関わり方という一つの側面だけでなく、食事、睡眠、遊び、他者との関わりなど、日常生活全般の様子を総合的に観察することが求められます。

「読み聞かせ」の工夫

もし「めくるだけ」が気になる場合は、子どもの好きな絵柄のページで大人が一度動きを止め、「あ、電車だね!シュッシュッポッポ」などと効果音や簡単な言葉を添えてみるのも良いでしょう。無理強いはせず、子どもの興味に合わせて関わることが大切です。

自閉症で本をパラパラ、めくるだけで読ない

自閉症スペクトラム(ASD)の特性がある子どもの中には、絵本の物語を順に追っていくことよりも、特定の方法で「めくる」という行為そのものに強い関心やこだわりを示す場合があります。

これは、自閉症の特性の一つである「常同行動(同じ行動を繰り返すこと)」や、特有の「感覚刺激の追求」と関連している可能性があります。例えば、以下のような目的が考えられます。

このため、ストーリーを最初から最後まで追うのではなく、本をパラパラとめくり続ける行動が目立つことがあります。これは、本の内容を全く理解していない、あるいは物語に興味がないというわけではなく、その子にとっての「絵本の楽しみ方」が、まず第一に感覚的な満足感を得ることにあるのかもしれません。

感覚遊びとしての一面

自閉症の子にとって、絵本をパラパラとめくる行為は、光や音、感触を楽しむ「感覚遊び」の一つであると捉えることもできます。無理に「正しい読み方」を教え込もうとするより、まずはその子なりの楽しみ方を尊重することが重要です。

その上で、「あ、そのページ好きだね」と共感を示したり、しかけ絵本や音の出る絵本など、五感で楽しめる別のタイプの絵本を提供してみたりするのも一つの方法です。

気になる行動と1歳自閉症チェックリスト

1歳頃に「絵本をめくるだけ」という行動以外にも、以下のような様子が併せて見られる場合、発達について少し注意深く見守るとよいかもしれません。

これらは、多くの自治体で1歳6か月児健康診査の際に確認される項目でもあります。1歳6か月児健診は、厚生労働省が定める母子保健法に基づき、子どもの心身の発達を確認する大切な機会です。(参照:厚生労働省「乳幼児健康診査」)

チェック項目具体的な様子(例)
視線が合いにくい抱っこしていても目が合わない、またはすぐに逸らしてしまうことが多い。
呼びかけへの反応が薄い名前を呼んでも振り向かないことが多い(※聴力の問題がない場合)。
指差しをしない興味があるもの(犬、車など)を指差して親に伝えようとしない。「ワンワンどれ?」と聞いても指を差さない。
(補足)共感の指差し大人が指差した方向(例:「あ、飛行機!」)を見ようとしない。
クレーン現象何かを要求する時(例:お菓子が欲しい)、自分で取ろうとせず、大人の手首を掴んで物や棚に誘導する。
言葉の遅れ「マンマ」「ブーブー」「ワンワン」など、意味のある言葉(喃語ではない)がほとんど出ていない。
模倣(マネ)をしない「バイバイ」や「パチパチ」、「ちょうだい(手を出す)」など、簡単な動作のマネをしようとしない。
一人遊びが多い他の子どもがいる場でも関心を示さず、一人で黙々と遊ぶことを好む。

チェックリストは診断ではありません

これらの項目に当てはまるからといって、必ずしも自閉症であると決まるわけではありません。発達には非常に大きな個人差があり、性格的におっとりしている子や、内気な子もいます。

しかし、もし複数の項目が当てはまり、日常生活や育児の中で親御さんが強い不安や困難を感じる場合は、一人で抱え込んではいけません。1歳半健診の機会を活かしたり、かかりつけの小児科医、地域の保健センター、児童発達支援センターなどの専門機関に相談したりすることが非常に重要です。

絵本をめくる以外の自閉症のサインとは

階段の上り下りは自閉症のサインなの?

子どもが公園の遊具や自宅の階段を見つけると、何度も何度も飽きずに上ったり下りたりを繰り返すことがあります。この行動自体は、運動機能が発達し、新しいことができるのが嬉しくて夢中になっている、定型発達の子どもにもごく普通に見られる姿です。

一方で、この「繰り返し」の度合いが極端に強い場合、例えば、他の遊び(滑り台や砂場)に全く興味を示さず、親が制止しても聞かずに何十分もひたすら階段の上り下りだけを続けるような場合は、自閉症の特性である「常同行動」の一環である可能性も考えられます。

常同行動は、同じ行動をリズミカルに繰り返すことで高ぶった気持ちを落ち着かせたり、逆に安心感を得たり、またはその行動自体から得られる感覚刺激(足の裏の感覚や上下する視界)を楽しんだりするために行うとされています。

ぐるぐるその場で回る、手をひらひらさせる(ハンドフラッピング)、物を一列にきれいに並べるといった行動も同様です。この行動だけで自閉症と判断することはできませんが、その「熱中しすぎる度合い」や「次の行動への切り替えの難しさ」は、その子の特性を理解する上での一つの注目点となります。

自閉症傾向の子供のその他の特徴は?

自閉症スペクトラム(ASD)は、厚生労働省の情報サイトe-ヘルスネットによると、「対人関係やこだわりの強さなど」に特性が現れる発達障害の一つとされています。その特性は非常に多様で個人差が大きく、すべての子に当てはまるわけではありませんが、コミュニケーションや行動面で以下のような特徴が見られることがあります。

感覚の偏り(過敏または鈍麻)

五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)や固有受容覚(体の位置)、前庭覚(平衡感覚)などに偏りが見られることがあります。

こだわりが強い(同一性の保持)

物事の手順や物の配置、場所、道順などに強いこだわりを持ち、いつもと同じ状態でないと強い不安を感じたり、パニックになったりすることがあります。

コミュニケーションや想像力の違い

言葉の発達は個人差が大きいですが(流暢に話す子もいれば、発語がない子もいます)、言葉が出ていても、以下のような特徴が見られることがあります。

特性は「違い」であり「強み」にもなる

これらの特徴は「できないこと」や「劣っていること」ではなく、その子の「特性(=脳機能の違い)」です。こだわりが強いことは、裏を返せば「集中力が非常に高い」「ルールをきっちり守れる」「記憶力が抜群」といった素晴らしい強みにも繋がります。特性を正しく理解し、その子に合った環境を整えることが大切です。

自閉症でも「ママ大好き」な気持ちは本当?

自閉症の子どもは、定型発達の子どもと比べて、視線を合わせるのが苦手だったり、ベタベタと甘えたり、抱っこなどの身体的な接触を好まなかったりすることがあります(※逆に、感覚鈍麻で強い抱っこを好む子もいます)。

そのような姿から、親御さんとしては「もしかして懐いていないのでは?」「ママが大好きな気持ちがないのでは?」と、深く悩み、不安になってしまうことも少なくありません。

しかし、それは愛情がないのではなく、愛情表現の方法や安心感を得る方法が、私たちが一般的にイメージするものと少し異なるだけです。視線を合わせなくても、親の声をしっかり聞いていたり、同じ空間に親がいることを確認するだけで安心感を得ていたりします。

実際、不安な時や体調が悪い時、知らない場所に行った時などには、親のそばを絶対に離れなかったり、服の裾をそっと掴んでいたり、自分なりの方法で甘えてきたりすることも多くあります。表現方法が分かりにくいだけで、親に対する絶対的な信頼や愛着、「ママ大好き」という気持ちは、確かに育まれています。

分かりやすい「大好き」のサインが見えにくいと、親としては寂しく感じてしまう時もありますよね。ですが、子どもは子どもなりに、この世界で一番安心できる存在として親をしっかり認識しています。その子なりの小さな「大好き」のサインを、ぜひ見つけてあげてください。

自閉症の子が好む遊びには何がある?

自閉症の子どもは、対人関係や暗黙のルール理解が複雑な遊び(例:おにごっこ、ルールのあるごっこ遊び)よりも、一人でじっくりと没頭できる遊びや、自分の感覚的なニーズを満たせる遊びを好む傾向があります。

自閉症の子が好む遊びの例

これらの遊びは、子どもの感覚的なニーズ(感覚欲求)を満たし、それによって情緒を安定させる効果も期待できます。前述の通り、絵本をパラパラとめくる行動も、こうした「視覚」や「聴覚」を楽しむ感覚遊びの一環と捉えることができます。

その子の好きな遊びを否定せず、安全な環境で満足するまでやらせてあげることも、自己肯定感を育む上で非常に大切です。

自閉症と絵本をめくる行動の正しい理解

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