自閉症の子が抱っこ好きな理由とは?0歳からのサインと特性
うちの子は他の子より抱っこをせがむことが多い気がする、ASDの子どもはママにべったりするのはなぜ?といった疑問や、発達障害 抱っこ 好きの背景について知りたいと思っていませんか。自閉症と抱っこ好きの関係性については、肯定的な側面と否定的な側面(感覚過敏など)の両方から様々な情報があります。
一般的な赤ちゃんが抱っこが好きな理由は何ですか?という基本的な疑問から、0歳 違和感と気づきのポイント、赤ちゃん 特徴 0歳で見るべきサインまで、乳児期の気になる点は多いでしょう。中には、赤ちゃん 足バタバタは特性のサイン?と心配になったり、逆に抱っこ 嫌がる いつから?と不安になったりする方もいるかもしれません。
この記事では、赤ちゃん 自閉症 チェック リストや、赤ちゃん 自閉症 原因は解明された?といった基本的な情報から、自閉症の子が抱っこ好きな理由、なぜ抱っこを せがむのかを深く掘り下げて解説します。自閉症の1番の特徴はコミュニケーションの特性とも言われますが、自閉症グレーゾーンの特徴や、自閉症 抱っこ好きの理解と対応について、詳しく見ていきましょう。
- 自閉症の子どもが抱っこを求める心理的・感覚的理由
- 0歳の赤ちゃんに見られる発達特性のサイン
- 抱っこを嫌がる場合の背景にある感覚過敏
- 抱っこ好きな子どもへの適切な関わり方
自閉症と抱っこ好きの関係性

- 赤ちゃんが抱っこが好きな理由は何ですか?
- 0歳 違和感と気づきのポイント
- 赤ちゃん 特徴 0歳で見るべきサイン
- 赤ちゃん 足バタバタは特性のサイン?
- 逆に抱っこ 嫌がる いつから?
- 赤ちゃん 自閉症 チェック リスト
- 赤ちゃん 自閉症 原因は解明された?
赤ちゃんが抱っこが好きな理由は何ですか?
赤ちゃんが抱っこを好む最も大きな理由は、「安心感」を求めているからです。これは、発達の特性に関わらず、多くの赤ちゃんに共通する自然な欲求と言えます。赤ちゃんは自分一人では生きられず、常に誰かの助けを必要とします。そのため、信頼できる養育者(主にママやパパ)の温もりや肌の触れ合いを通じて、自分が守られていることを確認するのです。
この肌の触れ合いは、通称「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンの分泌を促すとされています。オキシトシンは、ストレスを和らげ、信頼感や愛着を深める働きがあると考えられています。また、お腹の中にいた時に聞いていた保護者の心音に近いリズムや、抱っこによる適度な揺れが、胎内の環境を思い出させ、赤ちゃんを落ち着かせるとも言われています。
このように、抱っこは赤ちゃんにとって、精神的な安定を得て、他者への基本的な信頼感(愛着)を築くための重要な手段なのです。
0歳児の違和感と気づきのポイント

0歳の段階で「自閉症かもしれない」と感じる違和感は、非常に微妙なサインであることがほとんどです。多くの場合、この時期は発達の個人差が非常に大きく、「目が合いにくい」と感じても、単にその子の個性や、その時の気分である可能性も十分にあります。一つの特徴だけで判断することはできません。
例えば、保護者が気づきやすいポイントとして、「目が合いにくい」「あやしても笑い返すことが少ない」「名前を呼んでも振り向くことが稀」といった点が挙げられます。また、音や光に対して過敏に反応して激しく泣く、あるいは逆に大きな音に無反応であるなど、感覚の違いが見られることもあります。
こうした「なんとなく育てにくい」「他の子と少し違う気がする」といった保護者の直感は、時に重要な気づきのきっかけとなります。ただし、これらはあくまで傾向であり、定型発達の赤ちゃんにも見られることがあります。違和感が続く場合は、一人で抱え込まず、乳幼児健診などで専門家に相談することが大切です。
赤ちゃんの特徴 0歳で見るべきサイン

0歳の赤ちゃんに見られる特徴として、専門家が注目するのは、主に社会的な相互作用の初期段階における行動です。
視線や表情のやり取り
一般的に、赤ちゃんは生後数ヶ月で人の顔を好み、視線を合わせようとします。特に保護者があやすと「社会的微笑」と呼ばれる、応えるような笑顔を見せることが増えます。しかし、自閉症の特性がある場合、人の顔よりも、きらきら光る物や回る物、背景の模様などに興味が向きやすいことがあると言われています。あやされた時の反応が乏しく感じられるかもしれません。
共同注意の困難さ
生後9ヶ月頃からは、「共同注意」と呼ばれる行動が見られます。これは、保護者が指差した方を一緒に見たり、赤ちゃん自身が興味のあるもの(例:犬、車)を指差して保護者に見せようとしたりする行動です。この「興味や関心を他者と共有しようとする」行動が少ないことも、一つのサインとされます。
模倣行動の少なさ
大人の表情や「バイバイ」「パチパチ」などの簡単な仕草を真似する行動(模倣)が、同じ月齢の子どもと比べて少ない場合もあります。
これらの特徴は、あくまでも傾向の一つです。0歳の段階では診断が難しく、経過観察となることがほとんどです。気になる点はスマートフォンの動画などで記録しておき、健診の際に具体的に質問してみると良いでしょう。
赤ちゃんが足をバタバタするのは何のサイン?

赤ちゃんが足をバタバタさせる行動は、それ自体が自閉症の直接的なサインとは言えません。この行動は、多くの赤ちゃんに見られるごく一般的なものです。理由として、赤ちゃんはまだ言葉で感情を表現できないため、興奮している時(嬉しい、楽しい)や、逆に不快感(おむつが濡れている、眠い、暑い)を体に力を入れて表現することがあります。
ただし、もし足のバタバタが極端に多い、または特定の状況で常に見られる場合、感覚の特性や自己刺激(常同行動)の一つである可能性もゼロではありません。常同行動とは、一見意味がないように見える動きを繰り返すことで、自分の感覚を調整したり、不安を落ち着かせたりする行動です。
もし、足のバタバタ以外にも、手をひらひらさせる、体を揺らす、特定の音にだけ強く反応するなど、他の気になるサインと組み合わさって見られる場合は、総合的に様子を見ることが重要です。
逆に抱っこを嫌がるはいつから?

自閉症の特性の中には、「感覚過敏」が含まれることがあります。そのため、赤ちゃんが抱っこを嫌がる様子が見られることもあります。「いつから」というのは個人差が非常に大きいですが、生まれつき感覚が敏感で、新生児期や乳児期の早い段階からその傾向が見られる場合があります。
抱っこを嫌がる理由として、触覚過敏が考えられます。肌が触れ合う感覚や、服の素材感、体に圧力がかかること(締め付けられること)を痛みや不快感として感じるためです。抱っこしようとすると体をのけぞらせたり、身をよじったり、激しく泣いたりすることがあります。
また、触覚だけでなく、抱っこの際の「揺れ」や「傾き」を処理する前庭覚(ぜんていかく)や、自分の体の位置を感じる固有受容覚(こゆうじゅようかく)が過敏な場合もあります。不安定な揺れや、体が密着することで自分の体の輪郭が曖昧になる感覚が苦手なのかもしれません。
これは、保護者への愛情がないわけではなく、あくまで感覚の特性によるものです。抱っこ以外にも、特定の素材の服、お風呂、チャイルドシートなどを極端に嫌がるサインが見られることもあります。
赤ちゃんの自閉症チェックリスト

赤ちゃん(特に1歳半前後)の自閉症のサインとして、早期発見のためのスクリーニング(ふるい分け)チェックリストが公的機関などで用いられることがあります。これらは診断基準そのものではありませんが、専門家への相談を検討する目安となります。
日本でも、1歳6か月児健診などで「M-CHAT(エムチャット:Modified Checklist for Autism in Toddlers)」という、保護者記入式の質問紙が使われることがあります。これらはあくまで傾向を見るものであり、当てはまるからといって自閉症であると断定するものではありません。
以下は、一般的に注目される項目の例です。
| チェック項目の例(1歳半頃) | 具体的な様子 |
|---|---|
| 共同注意の困難 | 大人が指差した方向を見ようとしない。 |
| 興味の共有の欠如 | 興味のあるものを指差して大人に見せようとしない。 |
| 模倣の困難 | 大人の真似(バイバイ、パチパチ、表情の真似)をしない。 |
| 対人関心の薄さ | 他の子どもに関心を示さない、目が合いにくい。 |
| 呼びかけへの無反応 | 名前を呼んでも振り向かない(聴力に問題がない場合)。 |
これらのチェックリストは、あくまで発達の専門家が使用するものを簡略化したものです。自己判断せず、必ず自治体の保健センターや小児科、児童精神科などの専門機関に相談してください。「発達障害ナビポータル」でも、自閉症スペクトラム障害(ASD)に関する基本的な情報が提供されています。
赤ちゃんの自閉症の原因は解明されたのか?

2025年現在、赤ちゃんが自閉症(自閉スペクトラム症、ASD)になる原因は、完全には解明されていません。しかし、研究の進展により、少しずつ分かってきていることもあります。
まず、現在の医学的研究では、自閉症は「親の育て方が冷たかったから」「愛情不足だから」といった心理的な環境や育て方が直接の原因ではないことが明確になっています。そうではなく、生まれつきの脳機能の特性によるものと考えられています。「病気」というよりも、物事の感じ方や捉え方が異なる「特性」であるという理解が広まっています。
その背景には、多くの遺伝的な要因が複雑に関与していると推測されています。ただし、特定の遺伝子だけで決まるものではなく、多数の遺伝的要因と、胎内環境などの様々な環境要因が相互に影響しあって、脳機能の発達に影響し、特性として現れるというのが、現時点での有力な考え方です。
自閉症の子が抱っこ好きな理由

- 発達障害 抱っこ 好きの背景
- なぜ抱っこを せがむのか
- ASDの子どもはママにべったりするのはなぜ?
- 自閉症の1番の特徴はコミュニケーション
- 自閉症グレーゾーンの特徴は?
- 自閉症 抱っこ好きの理解と対応
発達障害の子が抱っこ好きである背景
発達障害(特に自閉症スペクトラム)の子どもが抱っこを好む背景には、強い不安感や特有の感覚的なニーズがあると考えられます。自閉症の特性として、先の見通しが立たないことや、いつもと違う状況、周囲の環境(大きな音、眩しい光、人の多さなど)からの刺激に対して、強いストレスや不安を感じやすい場合があります。
このため、抱っこという身体的な接触を通じて安心感を得ようとします。特に、抱っこによる「ギューッ」という適度な圧迫感(これは「圧感覚」と呼ばれます)が、むしろ心地よい感覚刺激となることがあります。この圧感覚は、混乱した感覚を落ち着かせ、自分がここにいるという「身体の輪郭」を明確にしてくれる役割を果たしている可能性があります。
抱っこ以外にも、狭い場所(押し入れなど)に入りたがる、重い毛布を好むといった行動が見られる場合、それは圧感覚を求めて自分で自分を落ち着かせようとしているサインかもしれません。
なぜ抱っこをせがむのか

自閉症の子が頻繁に抱っこをせがむのには、いくつかの理由が重なっていると考えられます。
① 安心感と愛着の表現
前述の通り、不安を感じている時に、最も信頼できる養育者(ママやパパ)に抱きしめられることで、精神的な安定を図ろうとします。これは「甘えたい」という自然な愛着行動の一つです。愛着の形成が定型発達の子どもよりゆっくり進む場合もあり、幼児期を過ぎてから強い抱っこ要求が見られることもあります。
② 非言語的なコミュニケーション
自閉症の特性として、自分の気持ちや要求を言葉でうまく表現するのが苦手な場合があります。「不安だ」「疲れた」「安心したい」「どうしたらいいか分からない」という複雑な気持ちを、言葉の代わりに「抱っこをせがむ」という最も直接的で分かりやすい行動で示しているのです。
③ 感覚的なニーズの充足
抱っこによる圧迫感や温もりが、感覚的な心地よさ(安心感)をもたらすため、それを求めてせがむ場合もあります。
ASDの子どもがママにべったりするのはなぜ?
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもが特定の養育者、特にママにべったりする姿は、「母子分離不安」の現れである場合があります。これは、ママから離れることに、年齢相応の状態よりも強い不安を感じる状態です。
自閉症の特性がある子どもは、環境の変化や新しい場所、知らない人に対して強い不安を感じやすい(場所見知りや人見知りが激しい)ことがあります。そのため、唯一の「安全基地」であり、最も予測可能で安心できる存在であるママのそばを離れようとしないのです。
また、ASDの特性である「同一性保持(いつもと同じパターンを好む)」が関係している可能性もあります。ママという存在が、お子さんにとっての「いつも通りの安心できる環境」の最も重要な一部となっているため、そこから離れることに抵抗を示すのかもしれません。
「べったり」している姿は、一見すると「甘えすぎ」に見えるかもしれませんが、実際にはお子さんがそれだけ強い不安と戦っており、ママを頼りにしている証拠でもあります。まずはその不安を受け止めてあげることが大切です。
自閉症の1番の特徴はコミュニケーション

自閉症の最も中心的な特徴の一つは、「対人関係やコミュニケーションの困難さ」です。これは、単に「言葉が遅い」ということだけを指すのではありません。国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターによると、この特性は「相互的」なやりとりの難しさとして説明されます。
言葉でのやり取りだけでなく、視線を合わせる、表情を読む、身振り手振りを使うといった、私たちが無意識に行っている非言語的なコミュニケーションを理解したり、使ったりすることが苦手な傾向があります。
言葉以外の意図を読み取る難しさ
自閉症の人は、言葉そのものの意味は理解できても、相手の表情、声のトーン、その場の雰囲気といった文脈や暗黙のルールを読み取ることが苦手な傾向があります。そのため、冗談や比喩、皮肉が通じにくく、言葉を文字通りに受け取ってしまうことがあります。
独特なコミュニケーション方法
例えば、欲しいものがある時に、言葉で「取って」と言う代わりに、大人の手を持って行かせようとする「クレーン現象」が見られることもあります。また、相手の反応に関わらず自分の好きなことだけを一方的に話し続けたり、聞いた言葉をそのまま繰り返す「オウム返し(エコラリア)」が見られたりすることもあります。
自閉症グレーゾーンの特徴は?
自閉症グレーゾーンとは、医学的な診断名ではありません。自閉症の診断基準(対人コミュニケーションの問題、限定された興味やこだわり)を完全には満たさないものの、その特性を部分的に持っている状態を指す一般的な俗称です。
特性の現れ方は人それぞれですが、以下のような特徴が見られることがあります。
- 「空気が読めない」「TPOに合わない発言をする」と周囲から思われがち
- 特定の手順やルールに強いこだわりがあり、変更や不測の事態が極端に苦手
- 感覚が過敏(特定の音や光、肌触りが苦手など)または鈍麻(痛みを感じにくいなど)
- 興味のあることには驚異的な集中力を見せるが、関心のないことには無頓着
- 友達作りや集団行動がやや苦手で、一人でいることを好む
グレーゾーンの人は、診断がつかないために「本人の努力不足」「わがまま」と誤解されやすく、公的な支援につながりにくいという困難さを抱えることがあります。日常生活や学校・職場で「少し変わっている」「不器用だ」と見られやすく、本人も生きづらさを感じていることが少なくありません。
自閉症の子が抱っこ好きな理解と対応
自閉症の子どもが抱っこを好む背景や、逆に嫌がる理由、そして0歳からの関連する特徴について解説してきました。抱っこをたくさん求めることも、逆に抱っこを嫌がることも、どちらもその子の「特性」であり、言葉にならないコミュニケーションのサインであると捉えることが大切です。
大切なのは、その行動の裏にある「不安」や「感覚的なニーズ」を想像し、お子さんが安心できる方法を探していくことです。文部科学省も特別支援教育の中で、一人ひとりの特性に応じた支援の重要性を説いています。最後に、この記事の要点をまとめます。
- 抱っこを好むのは安心感を求める自然な欲求
- 自閉症の子は不安感が強く抱っこで安心を得ようとすることがある
- 言葉で要求を伝えるのが苦手で抱っこで表現する場合がある
- 感覚的なニーズとして適度な圧迫感(圧感覚)を求めている可能性もある
- 逆に感覚過敏(触覚や前庭覚など)で抱っこを嫌がる子もいる
- 抱っこを嫌がるのは愛情不足ではなく感覚特性の場合がある
- 0歳のサインは目が合いにくい、社会的微笑が少ないなど微妙なものが多い
- 0歳での判断は難しく個人差も非常に大きい
- 足のバタバタ自体は自閉症の直接的サインではないが常同行動の可能性も
- 複数の気になるサインがあれば健診などで専門家に相談する
- 自閉症の原因は育て方ではなく生まれつきの脳機能の特性
- 遺伝的要因などが複雑に関わると考えられているが完全には未解明
- 自閉症の1番の特徴は「相互的」なコミュニケーションの困難さ
- クレーン現象やエコラリアなど独特な表現方法が見られることがある
- グレーゾーンは診断基準を満たさないが特性を持ち支援につながりにくい場合がある
